ユナイテッド航空でのオーバーブッキングでベトナム系アメリカ人が床を引きずられ強制的に連行された事件が話題となっています。
そもそも、なんでオーバーブッキング(過剰予約)が起こるのでしょうか?
今回の件、なんで血が流れる事態にまで発展したのでしょうか?おかしな事だらけです。
今回の事件について
米国東部時間4月9日夜、シカゴ発ルイビル(ケンタッキー州)行きのユナイテッド航空3411便で起きた事件です。
午後5時40分の定刻出発に向け、乗客の搭乗が完了した後、業務上の理由でユナイテッド航空の乗務員4人が同便でルイビルに向かわなければならない事が判明。
これによってオーバーブッキングとなり、ユナイテッド航空の関係者の替わりに乗客が4人降りなければならなくなりました。
この4人をだれにするのか。
航空会社からはまず、400ドル(約4万4000円)とその夜のホテル宿泊と翌日午後のフライトが交換条件として提示し替わってくれる人を募集しました。
しかし、乗客が誰も手を挙げなかったため、提示額は800ドルに倍増されたそうです。それでも誰も替わってくれなかったため、マネージャーが機内に乗り込み、降りる乗客4人をユナイテッド側が選ぶと告げたそうです。
選択された4人のうち、3人は飛行機を降りることを承諾しています。
だが最後の一人、ケンタッキー州在住で医師のデイビッド・ダオ氏は、「翌日にケンタッキーの病院で患者を診なければならない」として降機を拒んだところ、シカゴ航空局の保安係官により、ダオ氏は席から強制的に離され、通路を引きずられ、飛行機から出されることとなりました。
その際に座席の肘掛けに顔を強打したダオ氏は前歯2本を失ったほか、鼻を骨折し、「かなりの」脳震盪(のうしんとう)を起こしたそうです。
ダオ氏の弁護士、娘さんが記者会見を開きユナイテッド航空を訴えています。
デイビッド・ダオ氏はベトナム系のアメリカ人です。他の3名もすべてアジア系の人だそうです。4人の選択はコンピュータによる無作為抽出と言われていますが、人種差別が絡んでいるとも言われています。
オーバーブッキングはなぜ起こるのか?
飛行機を飛ばすのには燃料代や人件費など膨大な経費がかかるので、航空会社はなるべく満席で飛ばしたいのです。
予約をしていても来ない人がいたりなどする事を考慮して規定座席数以上の予約を受け付けています。
しかし、予約した人が全員来てしまうと規定座席数以上の予約がある訳ですから、乗れない人が出てきてしまいます。
オーバーブッキングで乗れなかった人への対応
乗れなかった人には保障金が支払われたりします。別便への振り替えで1万、宿泊が必要な場合は2万程度が一般的だそう。
デルタ航空ではこの保証の最大が110万円に引き上げられたそうです。
マイレージの会員であればマイレージで割り増ししてもらえる航空会社もあるそうです。
今回の事件はおかしな事だらけ
搭乗前にわからなかったの?
飛行機に乗る際、まずは空港内のカウンターでチェックインしますよね。
この時点で搭乗人数の把握は出来ているはずです。
予約数が満席であっても来ない人がいればこの時点で、キャンセル待ちしている人に席が回ってきますよね。
今回は飛行機に搭乗後ですから、まずおかしいですね。
替わりに乗り込んだのがユナイテッド航空関係者である事
ユナイテッド航空の職員を乗せるために客を犠牲にするというスタンスがさらに波紋を広げています。
ユナイテッド航空の職員が別の交通手段を取る、または現地で代替できる職員はいなかったのでしょうか。
ここまでしなくてはならなかった業務とは何があったのでしょうか。
引きずられただけで前歯と鼻が折れるのか?
動画で見る限りはそこまでの怪我になる様には見えなかったのですが、何かあったと思ってしまいます。
ユナイテッド航空への批判殺到 大炎上
SNS上ではユナイテッド航空に対するボイコットしようという内容や、皮肉った新キャッチフレーズが拡散されています。
・「私たちはお客様を世界中引きずり回します。」
・「乗るときは医者、降りるときは患者」
他にもスローガンをまとめているブログがありました。うまい事皮肉っています。
巻き込まれたくないですね
次の日も休みで、ホテル代も出してもらえてお小遣い程度の保障金が貰えてもう一泊して遊べるっていうのなら喜んで替わりますが、飛行機を利用した移動というのは基本的に飛行機の時間を中心に他の予定を決めていますから、大半の人が時間の変更をしたくないはずです。
てるみくらぶの件も間近にあった事もあり、旅行でのハプニングでもし自分が巻き込まれたらと思うとゾっとしますね。